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「伝統の盆踊り守りたい」
主婦らの手で復活 白浜町椿
高齢化などで盆踊りの風習が廃れゆく中、約200年の伝統があり、途絶えていた白浜町椿地区の盆踊りが、地元の主婦らの地域団体が中心となって復活する。メンバーの吉田恭子さん(78)は「昔の踊りを知る人は皆、高齢で、若者に伝えるなら今しかない。これを機に、ほかの地区の盆踊りも盛り上がってほしい」と話している。本番は20日午後6時半から、旧椿漁協前の広場で開催する。
 白浜町椿地区には、先祖を供養するための盆踊りとして、漁師町の風情を残す独自の踊りが伝えられてきた。地区の青年団などが盆踊りの活動を担っていたが、若者が減って青年団がなくなり、踊り手や観客も減る中で、約10年ほど前に廃れて途絶えた。

 そこで60、70代の主婦ら12人でつくる「椿たんぽぽ会」が「椿地区の伝統文化を、何かひとつでも後世に伝えていきたい」と7月の例会で復活させることを決めた。8月上旬から、地元の人を集めて踊りの練習を積み重ね、椿観光協会の倉庫などに保管していたちょうちんを洗って準備を進めている。

 同地区の踊りは「扇踊り」「鯖つり踊り」「男奴踊り」「娘踊り」「餅踊り」の5種類。おはやしと、太鼓や笛、拍子木の音に乗って踊る。

 今年の盆踊りで復活させるのは「ジャトーセイ」という掛け声に合わせ、扇を持って踊る「扇踊り」と、釣りや網をたぐる動作を取り入れた、漁師町ならではのユニークな踊り「鯖つり踊り」の2種類。

 盆踊りのおはやしをうたう榎本秀春さん(73)は「小学生のころからかかわっていた盆踊り。復活すると聞いて、懐かしい思いがする。本番でおはやしをうたうのが今から楽しみ」と意気込む。

 「飛び入り参加も大丈夫なので、地区外の人にも気軽に体験してほしい」と多くの参加を呼び掛けている。夜店や出し物もある。雨天の場合は21日に延期する。


各地で継承に苦労

 田辺市内など紀南各地の盆踊りは、若者の参加者が減り、ほとんどが高齢者の手で支えられている。

 19日に大会を開く、新万町内会の飯森矩子元会長(65)は「準備や踊りは50~70代の中高年が中心。地域の交流の場として次の世代に伝えていきたいが、若い人は忙しくて関心が薄れているのか、年々、参加者が減っており、将来が心配だ」と嘆く。

 田辺市芳養町では、2004年の盆踊り大会から、江戸期から地域で歌い継がれているおはやしを約50年ぶりに復活させた。芳養婦人会の山本とし子会長(65)は「自分たちが伝えなければ、廃れる一方。少しでも若い人の興味を引ければと、おはやしを復活させた。できるだけ長く続けたい」と話している。

紀伊民報より

 やっぱり、伝統って必要だよなっ。
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